Find.04もじこうの人 vol.1
左:塚本さん 右:mikaさん

場所:旧門司三井倶楽部

海峡の港町「門司港」。
この地に特別な魅力を感じ、この地を愛して止まない人たちがいます。
そんな町の人同士に出会っていただきました...

――お二人は初対面ですよね?

塚本 うん、店の前の通りは帰り道だから、たまに下駄でプラプラ歩いとるけど、美容室やったなんて知らんかったね。しかし、えらいべっぴんさんやね!この対談、男やったら断っとったよ(笑)

mika まんねん亀さんは人気のお店で、ずっと気になっていたんですけど、行ったことがなくて。初めまして、mikaと申します。

――お二人はなぜ今のお仕事を?

塚本 僕はね、東京の方で勤め人になったんだけど、これが性に合わなくてねえ。学校は遊べるけど、勤めは毎日行かないとダメでしょ?ある日、勝手に辞めて実家に戻ったら親父からえらく怒られてねえ。大阪の割烹料理屋に修行に行かされたんよ。これが大変なところでね、強面の先輩から毎日しぼられて、厳しかった。とうとうある日、我慢の限界が来て親方と喧嘩したら居づらくなってね。朝3時にタクシーで逃げた!(笑)。その後、東京の料理屋で修行したんよ。昔の料理屋はどこもそうやった。みんな厳しい修行に耐えて、いじめられてなんぼやったんよ。だけどそれが良かった。一番良かったのはいじめられたこと。それで人の雇い方を学んだよね。

――mikaさんも確か東京でお仕事されたんですよね?

mika はい。表参道にあるDaB(ダブ)というサロンに勤めていました。

塚本 すごいねえ。修行や修行。

mika 本当、日々挑戦でした。私は高校まで門司で過ごし、大学で建築を学んだのですが、ある出会いがあって、どうしてもその社長の下で働きたくて、美容師になりたくて!その時すでに22歳の私が18歳の子達より近道するにはどうしたらいいか。考えたら、東京でトップの美容専門学校に入ることでした。

塚本 ほう、芯がある。

mika 運よく専門学校にもその会社にも入れ、今があります。 私、本当に運がいいんです。

塚本 そう、運は大事。商売は運やけねえ。運が7割8割よ。僕もここにお店を持てたのは運。すぐ横に海があって、素晴らしい海峡があって、跳ね橋を作ってもらったり、色んな施設を作ってもらって、こんな素晴らしいレトロのど真ん中でさ、店をさせてもらってねえ。頑張らないけんよね。せっかくもらった運を頑張らんとね。

――mikaさんはなぜここにお店を?

mika はい。まず、ついてくださったお客様が遠方の方が多くて、JR沿線であることと、私の好きな海が近いこと、そして私のサロンへお越しくださる1日をショートトリップのようにデザインできるからです。 そう考えると門司港は最適なんです。例えばサロンへ来ていただいてカットした後、私のオススメのお店をご紹介して、お茶を楽しんでもらったり、船に乗って海峡を楽しんでもらったり...。この町でちょっとした特別を味わってもらいたいんです。

塚本 そういうのいいね。僕が東京から帰ってきた頃、ここにはたくさんの会社があってね。門鉄、毎日新聞、スポーツ日本、日本セメント...すごかった。1,000人、2,000人と人がいてねえ。それで大きな店も流行ったけど、今はそういう一人でやる、ゆっくりと焦らない商売もいいやろねえ。あんた芸術家たい!

mika ありがとうございます(笑)。 門司港へ行けばいつも面白いものや素敵なことに出会える。何かを見つけて帰ってもらえる。そういう場所になればと思っていて、その第一歩として私のデザインや私に興味を持ってもらい、ここへ足を運んでくださるといいなと思っています。門司で育った私と同年代のお店を出された方たちも同じような思いだと思います。

塚本 そうね。僕がここでやり始めた頃、7軒くらいで会を作ったんよ。「みなと会」って言ってね。楽しかった。みんなでお酒もよく飲んだ(笑)。今は名前を「門司港レトログルメ会」と変えて、30軒くらいになってるんだけど、それが出来てからやっぱり町にまとまりが出来た気がするよね。 これからはそういう若い人たちに頑張って欲しいよね。またご飯でも食べに来てよ、ご馳走するから。

mika はい。また伺わせていただきます。

塚本照信さん 門司港生まれ
大学で上京し、卒業後5年ほど大阪、東京と料理屋で修行を重ね、26歳の時に帰郷。栄町銀天街にある父親の料理屋まんねん亀で働く。46歳の時に国の重要文化財旧門司三井倶楽部でレストラン三井倶楽部をOPEN。10の旅行会社と契約し、団体ツアー客などを20数年間もてなしている。

地元愛に溢れ、まちの団体などの役員も多数こなす。誰からも「大将」の愛称で親しまれ、かつ頼れる存在。門司港レトロを語るのに欠かせないおひとりです。

mikaさん 門司生まれ
高校まで門司で過ごし、大学で建築を学ぶ。卒業後、美容師の道に進むため上京。日本美容専門学校を卒業後、DaB(ダブ)表参道入社。退社後に帰郷し、2014年、紹介のみの完全予約制 サロン「ajoute」を門司港にOPEN。

門司港の持つ魅力への期待と情熱を静かに、熱く、語ってくださいました。今後も頼らずにはいられない存在となりそうです。

INFORMATION

  • 記事公開日:2018年5月
  • もじこうの人 vol.1
  • 場所:旧門司三井倶楽部